FOR occupant
占有者の方へ現況調査について
競売が始まったら最初に知ってほしいこと
不動産競売は、所有者と申立人の双方にとって公平に進められる仕組みです。 その一環として、不動産の専門家が現地調査を行います。
不動産競売が開始すると、裁判所から「競売開始決定」の通知があり、その後に執行官から競売物件の現況調査と立会に関する連絡が入ります。 通知や連絡が届いた際は、できるだけ早めに内容をご確認のうえ、ご返答いただくようお願いします。ご返答がない場合には、やむを得ず解錠のうえ立ち入ることがありますので、あらかじめご了承ください。
現地調査の流れ
訪問するのは誰?
現地調査には、原則として裁判所の執行官と不動産の評価人の2名が訪れます。執行官は、物件に誰が住んでいるか(占有関係)や、権利の状態などを調査します。評価人は、土地や建物の状態を確認し、価格を評価する役割を担っています。
調査にかかる時間は?
一般的な戸建住宅であれば、調査にかかる時間は1~2時間程度です。物件の規模や状況によって前後することがあります。
調査内容はどんなもの?
調査では、全ての部屋の確認を行い、間取り図の作成も行います。また、以下のような点についてお聞きすることがあります。
- ・現在どなたが住んでいるか(居住者)・他人に貸していないか(賃貸の有無)
- ・建物に不具合や損傷がないか
- ・都市ガスや公共下水道に接続されているかどうか。
可能であれば、建物の設計図や賃貸借契約書(賃貸借がある場合)などをご用意いただくと、調査がスムーズに進みます。
写真撮影とプライバシー配慮
建物内部の写真撮影も行いますが、その際はプライバシーに十分配慮したうえで実施します。生活空間に立ち入ることになりますので、不安な点があれば遠慮なくお申し出ください。
不明点がある場合
不動産競売についてご不明な点がある場合は、現地調査を行う執行官や、裁判所の窓口(競売係)までお問い合わせください。
なお、競売が開始されると、不動産業者などから突然ご自宅に連絡が入ることがありますが、こうした業者の活動に裁判所は一切関与していません。
賃貸物件に居住・使用されている方へ
「競売開始決定」は不動産の所有者や債務者に対して通知されます。
そのため、賃貸物件に入居・使用されている方には、裁判所からの通知は届きません。
その代わりとして、裁判所の執行官から直接ご連絡を差し上げることになります。突然のご連絡となり恐縮ですが、現地調査の際にはご協力をお願いいたします。
最後に
現況調査のあと、「競売評価書」「現況調査報告書」「物件明細書」が作成され公開されます。その後、入札が行われ、落札者が決まると「売却許可決定」が出され、不動産が売却されます。
売却までの期間は、現況調査から通常2~3か月程度で進みます。現況調査は、あくまで売却の調査段階です。この時点で、無理に退去を求められることはありません。また、入札までに債務を弁済すれば、競売を取り下げることができ、物件から立ち退く必要もなくなります。
不動産競売は法律に基づく手続きです。このホームページを通じて、正しい流れを知り、不安を少しでも軽くしていただければ幸いです。