ご挨拶
 
代表理事挨拶
全国競売評価ネットワーク
     代表理事
千葉 祐之


  全国競売評価ネットワークの代表理事は初代の石渡理事、2代目の山田理事についで私で3代目になります。全国競売評価ネットワークも今年度で6年目になります。この間、競売制度を取り巻く環境は厳しいものがあり、最低売却価額制度は売却基準価額制度に変更になり、短期賃借権保護制度も廃止されました。今また、民間競売制度の導入が取りざたされており、導入は既定事実化されております。
 このような動きの中で、裁判所の競売件数は、昨年は全国的に大幅の減少となり、先行きが案じられています。ただ、このような現象も昨年後半からやや持ち直し、明るい兆しも見えてきたのは、我々競売評価に携わるものにとっては、有難いことです。
 経済情勢を見れば、昨年の夏頃より米国のサブプライムローン問題が起こり、原油高や建築基準法の改正とも相俟って、景気は失速し、首都圏の地価はそれまでの上昇から横這いに転じております。さらに今年に入ってからは、円高株安が一段と進み、経済情勢は一段と悪化の様相を呈してきました。昨年の倒産件数は2年連続で増加し、戦後最長と謳われた好景気も、赤信号が灯ってきました。
 このような状況の中、全国競売評価ネットワークでは、常にどのような対応をしたら良いのかを模索しております。
 もとより、ネットワークの使命は、適正評価に対する社会の期待に応えるため、評価事務の向上を目指すことであり、全国的に均質で、分かりやすく、しかも高品質で信頼性の高い評価書の作成を迅速に行うために、諸々の指針作りに励んできましたが、この5年間で所期の目的をかなり果たし、それを成果物として公表して参りました。時には、タイムリーな案件として、土壌汚染やアスベストの評価指針も逸速く対応し、お手元に届けて参りました。昨年の8月には「アスベストの競売評価指針」、12月には「競売評価における評価人の注意義務」の2冊の冊子を発行しました。「競売評価における評価人の注意義務」は昨年の札幌総会での北海道大学の瀬川信久先生の講演レジュメを基に、先生自ら加筆補正していただいたものです。全国約1,300名の評価人候補者のうち総会の参加者は200名あまりでしたので、多くの会員に配布すべく、印刷し、お配りした次第です。
 さて、昨年度は、委員会を1つ立ち上げ、従来の委員会と合わせ、3つの委員会でスタートしました。データ収集・分析研究委員会、広報委員会と新しく立ち上げた評価研究委員会です。従前の農地・山林評価研究委員会、収益還元法研究委員会、売却困難物件研究委員会及び物件調査等研究委員会は、それぞれ所期の目的を果たしたので、一旦解散しました。
 また、昨年の12月には内閣府の規制改革会議より、「民間競売制度の立案に関連して不動産競売評価の実情について」ヒヤリングしたいとの連絡が入りました。急な申し入れでもあり、まったく予想していなかったことでもあったので、関係各位にご心配をお掛けすることになりましたが、ヒヤリングは事なきを得、ほっとした次第です。
 データ収集・分析研究委員会では、裁判所のBIT システムで発表されたデータを元に、裁判所の競売制度の優位性をアピールすべく、買増し率や売却率、入札参加者数等のデータを分かり易く加工して、公表する準備を進めております。
 今後ネットワークで出来ることは、極力実行に移していく所存ですので、いいアイデアがあればどしどし事務局までお知らせください。
 また広報委員会で運営しているホームページの会員専用ページも有りますので、こちらのほうも、利用してください。会員専用ページには評価実務に有用なデータを掲載しています。ご利用をお待ちしています。
 われわれ評価人候補者が為すべきことは、より分かりやすい評価書を、より迅速に発行することだと思われます。いまや、裁判所のBIT システムで全国の評価書が誰にでも簡単に閲覧できることになりました。これに対応して、われわれ評価人候補者も出来るだけ評価基準を同一化し、統一様式で、見やすい評価書を作成する必要性を痛感しております。昨年の規制改革会議でのヒヤリングでも、全国競売評価ネットワークで、全国的に統一した競売評価の基準を作る必要性を指摘されました。
 したがいまして、今年度は全国の評価事務研究会の協力を得て、現在地域ごとに有る評価基準を集めて、統一できるところを纏めて、全国で使用できる、評価基準を作成することも検討すべきかとも思っております。勿論、不動産の評価には地域性が大きく反映し、数値を上げて、詳細な基準を作成することは元より困難であることは、承知しております。しかしながら、このことは、避けて通ることの出来ない事柄であり、時代の要請でもあります。
 是非とも会員各位のお知恵を拝借して、前向きに対処していきたいと考えておりますのでご協力のほど、宜しくお願い致します。これの担当は、昨年立ち上げました評価研究委員会(仮称)を「評価運用基準標準化検討委員会」と名称を改め、取り組んでいく所存です。
 ところで、全国8ブロックを持ち回りで開催してまいりました総会も、今年度は高松ブロックで開催する運びとなりました。開催にお骨折りを頂きました高知競売評価研究会の会員諸君には大変感謝しております。設立総会を福岡、第1回を東京、第2回を大阪、第3回を名古屋、第4回を札幌の各ブロックで開催して、第5回の今回は、高松ブロックになりました。次回以降、広島、仙台の2ブロックで全国8ブロックを一巡することになります。それぞれの地域の特性が出て、大変有意義な総会が開催され、好評を博しております。これまで協力いただきました開催地域の評価事務研究会所属の会員の皆様には、この場をお借りして、御礼申し上げます。また、これからお世話いただくブロックの研究会の方がたにも宜しくご協力をお願い申し上げます。
 最後に、今後とも全国競売評価ネットワークの活動を通じて、不動産競売制度の更なる発展と競売評価の精度の向上に努めてまいりたいと考えておりますので、ネットワークの活動にご支援・ご協力を賜りますよう、役員一同を代表しましてお願い申し上げ、私の挨拶とさせていただきます。

 


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